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「まつどSDGsキャラバンに集まった学生とは?」

はじめまして!

こんにちは、ミライノラボ学生研究員・千葉大学法政経学部2年の笠井翔太です。

松戸市は、令和4年5月に内閣府に「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選定されたことをきっかけに、「常盤平団地エリアのリ・ブランディング」をモデル事業として位置づけ、SDGsの普及啓発等に関する様々な取り組みを推進しています。私たちはそのうちの「まつどSDGsキャラバン推進業務」の一環として、およそ半年間、常盤平団地エリアが持続可能で魅力あるまちになるための調査研究をおこなってきました。
これから5回にわたり、「まつどSDGsキャラバン」のことや松戸及び常盤平団地エリアで活動されている団体について紹介する記事を掲載します。

今回は「まつどSDGsキャラバン」に取り組む学生へのインタビューを通じて、今回のプロジェクトにどのような学生が関わっているのか、そして、どのような意気込みで臨んでいるのか、お伝えしていきます!
 回答いただきましたのは渡邉真由さん山下萌子さん、二人とも千葉大学の学生かつ千葉大学研究成果活用型ベンチャーの株式会社ミライノラボの学生研究員です。

<渡邊真由さん>
・千葉大学法政経学部法学コース4年
・専攻:法律(行政法専攻)
・研究内容:市民の方々をどのように行政の活動に参加させるか
・今回のプロジェクトのプロジェクトリーダー

<山下萌子さん>
・千葉大学園芸学部食料資源経済学科4年
・専攻:食に関する経済学
・研究内容:食に関して、統計的に分析する応用計量経済学
・松戸市在住

これまでの経験とその応用

ーー渡邉さんに質問です。今までに関わった主なプロジェクト、および、その経験を今回のプロジェクトにどう活かせると思いますか?

渡邉
ミライノラボの活動の一環で、市原市の牛久商店街にて牛久のれんプロジェクトに携わったことがあります!
その中で住民の方々とお話をして一緒に制作物を作った経験があり、その経験を活かせるのではないかと思っています!

千葉県市原市の牛久商店街で、店舗の魅力を伝える「のれん」を制作する牛久のれんプロジェクト

ーー常盤平団地の場合は、どんなアプローチから市民参加ができると思いますか?

渡邉
このプロジェクトではなるべく市民の方を中心に、市民の方の声を聞くということが一番大事だと考えます。
どうしてもプロジェクトを行政主体で進めてしまうと先走ってしまい、市民の方が求めていることが置き去りになってしまうことがあると思います。
そこで例えば、実際にヒアリングをしたり、市民の方どうしのワークショップの開催をしたり、そこまでは難しくても例えばアンケートを配布することで、市民の方がどのように考えているかを汲み取ることが大事だと思っています。
今回は団地の方々が対象となってくるので、例えば団地の方にヒアリングをしたり、松戸市が開催している会議に実際に市民の方にも来てもらって、学生をはじめとした多くの方との関わりを築き、ワークショップを開いたりして、市民の方が関わっていけるようにしたいです!

ーー山下さんに質問です、今までに関わった主なプロジェクトおよびその経験をどう活かせると思いますか?

山下
私はミライノラボの活動の一環で、昨年度の「松戸市内の大学生によるSDGsフォーラム」に主なプロジェクトメンバーの一員として関わりました。
昨年は「私たちのちょっとした行動で正解はもっと素敵になる」というテーマで、身近なSDGsについて語るセミナーを、松戸市を始めとする皆さまのご協力のもとオンラインにて開催しました。


昨年度はオンラインにてフォーラムを開催しました。

ーー昨年度の活動について教えてください。また、昨年の活動は今回の活動に向けてどのようなことを応用できそうですか?

山下
昨年度のSDGsフォーラムの内容は、「大学生の日常とSDGsの関わり」の観点から一日を掘り下げることをしました。ごみの分別のような小さな活動からフェアトレード商品の購入まで、SDGsについて一日のうちにどのような活動ができるのか、大学生がオンラインで発表をしました!
運営の仕事はこの時が初めてでして、うまくいくこともあればうまくいかないこともありました。SDGsフォーラムでは、参加者のみなさんにSDGsについて自分ごと化して考えてもらうことが大事だと思います。そのために、今年は去年の経験を活かしながら、自分なりに様々な挑戦をしていきたいです。
また、去年よりももっと大学間の連携を深めながら取り組んでいきたいです。今年はオンラインだけでなくオフラインでの活動もできるということもあり、もっと他大学の学生と直接交流する場を設けて、みんなで協力しあいながら活動したいです!

ーー食に関しての研究をされていたとのことですが、食の面から今回のプロジェクトに取り込んでいくとすればどのようなことをしたいですか?

山下
そうですね……長期的なものになってくるかもしれないのですけれど……。
例えば常盤平団地の地域の方々と一緒に料理を作る会のようなことでもいいのですが、小さいことからでもつながることでコミュニケーションをみんなで取りやすくできればと思います!
松戸の園芸学部の学生として、栄養バランスについて専攻している学生を呼んで常盤平団地で活動する等の形で、大学側の人を巻き込んでいくこともできればと思います!

常盤平団地×SDGs SDGsの観点から何ができるか

ーーSDGsの中で関心のある項目、またその項目に関して松戸や常盤平団地でどんなことができるかの二人なりの展望を教えてください。

渡邉
15番の「陸の豊かさを守ろう」という項目に関心があります!
SDGsに関する活動を行うとなった時に、この目標に注目するのが良いのではないかと気になっていました。
初めて常盤平に行った時に一番印象に残っていることが、団地の中に緑がとても多かったということでした。
勝手なイメージかもしれませんが、常盤平団地を訪れるまで、団地という場所は殺風景でマンションがずらっと並んでいるようなイメージがありました。ですが、実際に行ってみたら意外と緑も多くてちゃんと団地の中に緑が存在しているというのがすごく魅力的だなと感じました。
例えば、そういった緑を守る活動や植林、植樹をする活動や、UR都市機構様のガーデンツアーをはじめとした、団地内の緑への理解を深める活動に参加するといったようなことができると思います。さらには、千葉大学園芸学部の方々と一緒に、緑を守るイベントを開催するといったようなことができるのではないかと思いました!

山下
渡辺さんのコメントにとても同意します!私も常盤平団地の第一印象は、緑がとても綺麗だな…と直感的に感じていました!
その上で私は、3番の「すべての人に健康と福祉を」の項目について、何かできるのではないかと思いました。
今住んでいる方々には高齢者の方々が多く、これから高齢化社会が日本全体で広がっていく中で、健康寿命を伸ばしていけるような福祉を提供する…というようなことも、行政などと連携しながら今住んでいる方々がもっと暮らしやすい地域を作れるようなモデルとなればいいなと思っています。
その上でさらに、11番の「住み続けられるまちづくりを」という項目についても気になります。このままでは常盤平団地は、団地という同じ世代の集合の形に沿って、まちが一緒に高齢化が進んでいくというような未来が待ち受けているように思えます。
ここにいろんな世代が入るような街にして、かつ、高齢者の方々も暮らしやすい、今の地域の方々も暮らしやすいような街へと変えていきたいです。

学生視点の常盤平団地の課題とは&既存の活動について

ーー二人が気づいた、常盤平団地の抱える課題について教えてください。

渡邉
つい先日、常盤平団地に住んでいる千葉大学の同級生に会った際に、公園が少ない、また公園が小さくて遊ぶ場所があまりないから若い人達が来ないという話を聞きました。
先ほどの緑を増やすという内容にもつながる話ですが、住民の声を取り入れながら公園を整備して、子供達が集まって遊べるスペースや、広めの公園を作るといったようなことをしていけるといいのかなと思います。

山下
団地という場所が、積極的に入っていって良いのか不安になってしまうような、近寄りがたいイメージがある方が少なくないと思います。そのようなイメージがだんだんなくなるようなことがしたいです。
そのため、私が興味のある課題としては、団地に親近感が沸いたり親しみやすさを感じたりしてもらえるようなことができればいいなと思っています!

ーー常盤平団地や松戸の周辺で行われている既存の活動のうち、関心のある活動を教えてください。

渡邉
既存の活動では、自治会の方がスポーツフェアを開催したという記事が自治会のホームページに載っていたので、どういう年齢層の人が参加しているのか、普段からそういう地域活動のようなものを積極的にやっているのか、というようなことについてとても興味があります!

山下
私は千葉大学園芸学部の柳井研究室がやってらっしゃる、青空・みどり・つながる暮らしプロジェクトのイベントにとても興味があります!
地域の方々と一緒に食べられる植物プランターをつくるなどの、健康や緑の豊かさを体験するイベントを開催していて、学生と団地のみなさまがお話をする機会を作っている点がすごかったです。

そういう機会を私たちもどんどん作っていかないといけないなと思いました。また、そこに入っていける機会があれば積極的に参加したいと思っています。

青空・みどり・つながる暮らしプロジェクトでのイベントのひとつ、「みんなでつくる暮らしの庭」(2021)
2022年にも開催されました!

今回のプロジェクトで取り組みたいこと

ーー今回の松戸のプロジェクトで二人が最も取り組みたいことはどのようなことですか?

渡邉
私は、4大学の学生間の連携を促進して繋がりを作っていくということに、一番力を入れていけたらいいなと思います。
やはり市内に4つも大学があることは松戸市の強みだと思っていて、若者がたくさんいるということはすごくいいことだと思います。その一方で、定着率が低く、就職後に松戸に残る人が少ないという課題を耳にしました。
ですので、たくさんの学生が参加してくれた今回のプロジェクトを通して、交流の場を設け、学生みんなが地域に関心を持ってくれるようイベントやワークショップを積極的に開催していけたらいいなと思いました!

山下
そうですね、今回は来年度に繋がっていくようなプロジェクトにすることが一番大事なことだと思っています。もちろんそこには色々なハードルがあるかと思いますが、少なくとも私個人としてはクリアしたいポイントと捉えています!
そのうえで、来年度に繋がっていくような実現可能性の高いアクションプランを提案したいです。

このプロジェクトを通しての、松戸市の今後への展望

ーー最後の質問です。松戸市や常盤平団地が今後このプロジェクトを通してどうなっていってほしいか、二人の展望を教えてください。

渡邉
以前松戸市のホームページを見たときに、課題として人と人とのつながりがどんどん薄れているということがあげられていて、これは松戸市だけでなく常盤平団地にも共通して言えることだと思います。
ですので、今回の活動を通して住民の方同士の交流を促進し、地域に大学生が関心を持ってもらえるような街づくりに私たちが関わることで、人と人とのつながりを創出していければいいなと思います。
特に常盤平団地の場合は若者が入ってこないということも大きな課題だと思うので、私たちが今回団地の再生に関わっていくことで、高齢化が進んでいるという課題の解決にも繋がっていけるといいのかなと思います。

山下
私の主観になってしまうかもしれませんが、松戸市のイメージとしては東京に行きやすいから住んでらっしゃる方が多い街だと思っています。
松戸という土地に対しての興味を持ってらっしゃる方というのは、住んでいる方の中でも少ないのかなと思います。
そういう意味では、この活動の先で、松戸という土地に興味があって住んでもらえる方や、休日に松戸を散策したいと思う方が増えるような街になったらうれしいです。

おわりに

「まつどSDGsキャラバン」にはこの他にも、松戸市内の4つの大学から30名程の学生が多く集まっています。
私たちは2/17(金)に、「松戸市内の大学生による まつどSDGsフォーラム」を行います。今回は常盤平団地での暮らしを魅力的にするためのアクションプランを発表し、その内容についてのパネルディスカッションを行います!松戸や常盤平団地エリアの新たな魅力に気づくことのできる良い機会になるかもしれません。
後日配信も予定しています。みなさんも一緒に、松戸市における持続可能なまちづくりについて考えてみませんか?