【共働き・共育て、子育てって実際どうやっているの?】大学生等・社会人向け「子育て家庭一日体験プログラム”家族留学”」実証事業を実施
こんにちは! 松戸市政策推進課SDGs推進担当室です。
SDGs推進担当室ができてから、様々な事業連携や企画が進み、あっというまに1年が経とうとしています。
令和5年8月からはじまった「まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度」の登録者数も増え、令和6年12月末時点で145件のご登録をいただいています。
今回は、そんなキャラバンメンバーシップに登録されているNPO法人manmaと市が連携して実施した事業について、担当した政策推進課より、インタビューを交えながらご紹介します!
共働き・共育てや子育ての“リアルな体験”から、自分の将来(ライフキャリア)を考えてみる「家族留学」とは?
こんにちは! 松戸市政策推進課です。改めまして、令和6年11月から12月に連携実施した実証事業「家族留学in松戸」についてご紹介します。
「家族留学」とは、概ね20〜30代の若い世代の方が、子育て家庭の1日に同行し、”公園や子育て支援施設に出かけて一緒に遊ぶ”、”お買い物に行ったり、一緒にお昼を食べる”、”自宅で家事をこなしつつ子どもと過ごす”などの子育て家庭のリアルな日常生活の体験および子育て家庭との率直な対話を提供する体験型プログラムです。そこから、「働くこと」や「結婚」「子育て」などの多方面から、自分の将来設計を描く(ライフデザイン)のきっかけとしてもらう取り組みです。
松戸市では、若い世代へのライフデザイン事業を検討しており、今回、全国様々な自治体と「家族留学」を実施しているNPO法人manmaと連携し、経済産業省令和5年度補正「ライフステージを支えるサービス導入実証等事業」を活用し、実証事業を行いました!
NPO法人manmaでは、全国約600家庭の登録があり、参加者と事前面談したうえで「実家が近くにない中で共働きしている家庭に話を聞きたい」「お父さんが長期で育児休業を取得した家庭と交流したい」など参加者の希望に沿った家庭とのマッチングを実施しています。これまで全国で800名以上の若い世代が参加したそうです。
松戸市では、募集開始後、参加者と受け入れ家庭の両方で複数の申し込みがあり、今回はその中から、フリーランスでの共働き子育て家庭をご希望された1組のご夫婦の家族留学の様子を紹介します。
「自分の好きなように考えていいんだ」子どものいる生活を想像できるようになった
参加者の方にインタビューをさせていただきました。
ーーーどんなことができましたか
受入れ家庭のお子さんたちと公園や自宅で一緒に遊んだり、受け入れ家庭のご夫婦が丁寧にじっくり話を聞いてくれ、気持ちが楽になった。同じような仕事をしている家庭であり、価値観が近い他人だからこそ、自分の家族や友人にも話しづらいことを話せた。
ーーー家族留学を経験してみて感じたことは
自分の気持ちを尊重できるようになった(自分たちはどうしたいかで考えられるようになった)
子どもを育てるかではなくて、子どもが一緒にいる生活を送りたいと思うかで決めていいんだと思った。本当に来てよかった。
ーーーお互いの新たな発見は
パートナーが想像していたよりも色々な不安を抱えていたり、きちんと考えていたんだと知ることができた。
※フジテレビ「News イット!」にて当日の様子が取材されました。詳細はこちらをご覧ください。
若い世代の方に、「多様なキャリア形成と子育ての在り方を包括的に学べる機会を」提供したい
仕事・結婚・子育てといったライフキャリアデザインの支援を初めたきっかけについて、NPO法人manma代表理事の越智さんにお聞きしました。
ーーー「家族留学」の取り組みについての思いを教えてください
私たちの根底にある問題意識は、社会環境の変化や家族のカタチの多様化により生きる道筋が様々になっている一方で、結婚や子育てといった家族形成に関して情報収集できる機会が少ないことです。仕事についてはインターンシップや転職支援など情報収集できる機会が多いですよね。一方で結婚や子育てについては育った家庭環境の影響が強く、他者の事例は踏み込みづらいテーマということもありブラックボックスになってしまいがちです。だからこそ、「自分はどのような生き方をしていきたいのか」を職業キャリアだけでなくパートナーシップや子育てといった家族形成についても多様な事例を知り、考え、選択することが重要だと考えています。特定の家族の理想像や結婚・子どもを持つことを推奨したい訳ではなく、自分はどのような生き方をしていきたいのかを、家族形成の面からも考えてほしい、そのための機会として「家族留学」を提供しています。
ーーー松戸市で実証事業を行ってどうでしたか
他の地域と比べて、市外で生まれ育ち、大学進学や就職・転職や転勤、子どもの出生後に松戸市に転入してきたからこそ松戸市内で知り合いがいない・相談できる人が少ないという参加者が多かったのが印象的でした。東京都内へのアクセスや子育て環境が良く、20代の転入超過が起きている松戸市だからこそ、若い世代と子育て家庭を繋ぐ「家族留学」という取り組みの意義があると感じています。
「まつどで暮らす」を、体験を通してイメージしてみる
今回の実証事業を担当した政策推進課では、自分の未来を描き、逆算しながら人生の希望やプランを考えるライフデザイン支援の取組みを検討していました。そんな折に、こども家庭庁のワーキンググループ(検討会)に参加されているmanmaさんより事業提案を受け、ぜひ松戸市に暮らす若い世代の方にも、自分が育ってきた家庭以外を体験でき、ライフキャリアを考えるきっかけとなる「家族留学」プログラムの機会を提供したいとの思いから、参加しました。
実際に実証事業を行ったところ、参加された方の声から、育った家庭以外の第三の家族を体験する」というリアルな体験でしか得られない気づきや、またそこから人生の選択肢が増えていくことを実感しました。
それと同時に、多様な生き方ができる現代だからこそ選択肢も多く、自分の将来が不明瞭であることの不安感や、様々な生き方についての疑問など”ちょっと踏み込んだ人生についてもやもや”を若い世代の多くの方が持っているのではと感じています。
今回の実証事業では、松戸市に住む若い世代の方からどういったニーズがあるか、「家族留学」を体験したことでどんな気づきや変化があったか、についても分析をし、来年度の事業や関連する若い世代の方々に向けた取り組みに活かしていく予定です。
松戸市は共働き子育てしやすい街として一定の評価をいただいているのですが、大学生や新社会人の方々にも「まつどで暮らすこと」「まつどで子育てをすること」についてぜひ知ってもらいたいと思っています。
官民で連携してつないでいくSDGs達成への道
本実証事業は、NPO法人manmaより、SDGs17目標のうち「4 質の高い教育をみんなに」及び「5 ジェンダー平等を実現しよう」の達成に寄与するものとして、まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度にご登録のうえ実施いただきました。
今後の活用・事業化等については本実証事業結果を踏まえ、引き続き対話を重ねながら検討されるものです。
松戸市では「まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度」のほか、「まつどSDGs×産学官民連携 事業提案窓口」を設置し、多様な主体からの事業提案を受け付けています。その全てを実現できるわけではありませんが、市と連携してSDGsに取り組みたいと考えている方々からの提案を随時受け付けていますので、みなさまぜひご提案ください!
〇NPO法人manma
HP :https://manma.co/